●オオスズメバチ スズメバチ科/Vespa mandarinia japonica
分布:北海道 本州 四国 九州
体長:雌37~45mm 働きバチ27~37mm
毒レベル:A
オオスズメバチは日本産ハチ類中最大種で攻撃性は非常に強い。女王バチの体長は45mmに達する。
頭部は大きく、顎は著しく発達し、側面から見ると複眼のおよそ2倍の幅があるためか咬む力が強い。
スズメバチ類は腹部にある模様の違いで、他種と容易に区別できる。平地から山地の森林などに生息し、
樹木の空洞部や地中に大きな長円形の巣をつくる。
4月頃、越冬から覚めた女王バチが単独で巣作りを始め巣の各房に1個ずつ卵を産み、約1か月後に働きバチが羽化する。
その後は働きバチが巣作りと食料を集め、女王バチは産卵に専念する。
大型で働きが鈍い昆虫類やクモ類を狩り、肉団子にして幼虫に与える。
クヌギ、コナラなどの樹液や熟した果実にもよく集まる。
秋になるとミツバチなどの他の社会性ハチ類の巣を集団で襲うため、養蜂家の間では最も重要な養蜂害虫とされている。
毎年、秋の山菜採りやハイキングなどの途中でオオスズメバチに襲われ死亡される方々も後を絶ちません。
特に、見通しの悪い草むらや雑木林の中に踏み入れる時は要注意!
土中に巣をつくるため、襲われたとき、巣の場所が判らず逆に巣の方向に逃げてしまうことが被害を
大きくしてしまいます。 できるだけ見通しの良い道を歩いて巣に近づかないことが賢明ですね。
●キイロスズメバチ スズメバチ科/Vespa simillima xanthoptera
分布:北海道 本州 四国 九州
体長:雌25~28mm 働きバチ17~25mm
毒レベル:A
近年、都市周辺部で激増しているスズメバチで、攻撃性も強い。体は黒色で黄色の斑点が多く、全体的に横褐色の毛が密生している。平地から低山地に生息し、木の枝や崖、軒下、地中など、いろんな場所に巣を作る。キイロスズメバチの巣は長円形で日本産スズメバチ類中最大。9月中旬頃に巣づくりの最盛期を迎え、大きいものになると1mを超えるものがある。小型の昆虫類を狩るほか、各種の花、樹液、果物によく集まってくる。また、飲み残しのジュースの空き缶などにも来る場合があるので注意をする。民家やその周辺に営巣することが多く、放置したままにしておくと襲われる危険があるため、巣を発見した場合は早急に駆除したほうがよい。スズメバチ類による被害としては本種が最も多い。
● モンスズメバチ スズメバチ科/Vespa crabro flavotasciata
分布:北海道 本州 四国 九州
体長:雌28~30mm 働きバチ21~28mm
毒レベル:A
体は黒色で光沢が弱く、黄褐色の斑紋がある。平地から低山地に生息し、樹木の空洞部や民家の屋根裏、壁の隙間などに釣り鐘状の巣をつくる。働きバチが羽化し巣が手狭になると引越しすることが多い。攻撃性は非常に強く、巣に近づいただけでも襲われる場合がある。餌としてトンボ類、セミ類などの大型の昆虫を好んで捕らえる。他のスズメバチ類とは違い、夜間も樹液などに集まり採餌活動を行う習性を持つ。
●ヒメスズメバチ スズメバチ科/Vespa ducalis
分布:本州 四国 九州
体長:雌25~36mm 働きバチ21~28mm
毒レベル:A
オオスズメバチにつぐ大型種で体は黄色く細長い。頭部はやや小さく顎もあまり発達していない。腹部の末端部が黒く特徴的である。平地から低山地に生息し、巣は樹木の空洞部や岩石の隙間などにつくる場合が多い。樹液や熟した果実にもよく集まるほか、幼虫の植物としてアシナガバチ類の巣を専門に襲う習性がある。性格はおとなしいので巣に近づく程度では襲われない。
●コガタスズメバチ スズメバチ科/Vespa analis
分布:北海道 本州 四国 九州 奄美大島 沖縄
体長:雌26~29mm 働きバチ22~27mm
毒レベル:A
都市周辺部などでよく見られるスズメバチ。民家の生垣うあ庭木によく植えられるツバキ、サザンカなどの枝に営巣する場合が多い。越冬した女王バチによってつくられた巣はツボを逆さまにしたような形をしているが、働きバチの羽化後は丸い球形に変化する。小型の昆虫類、クモ類を狩るほか、各種の花によく集まる。性格はおとなしく巣のそばを通過するくらいではまず襲われる心配はないが、1度刺激したすでは攻撃性が高まっているので注意が必要。