スズメバチの身分証明書は匂い?
スズメバチたちは女王蜂を頂点としてピラミッド型の高度な社会生活を送っています。
その代表的なものとして匂い(フェロモン)があります。
よく、スズメバチの巣を観察していると門番役のハチが出入り口の近くで帰ってきた働き
バチと触角で探りあったり、舐めあったりしています。
これは彼らが同じ巣の仲間かどうかを確認しあっているのです。もし違う匂いの外敵が近
づいてきたり侵入しようとすると門番役のハチたちが巣口から放射状に巣の外側に多数這
い出し毒針から微量の毒液(攻撃フェロモン)を霧状に噴霧し他の仲間にも危険を知らせ
て攻撃態勢に入ります。
たとえ同じ巣の仲間であっても他の強い匂いを擦り付けて巣に
戻ると仲間として認められず刺し殺されてしまうことがあるくらいです。
よってこの厳重なセキュリティーをかいくぐるには相当な危険が伴います。
よく、香水やペンキなどの強い匂いのついた人が巣のそばを通ると襲われてしまうのは、
この習性によりものだとも言われています。
興奮して巣から出てきたスズメバチは外敵と思われる対象者に攻撃フェロモンをふりか
け、それめがけて多数で攻撃、命にかかわる被害を受けてしまうので注意が必要です。
このように彼らのパスポート的な硬い結束の役割をはたしている『匂い』からもスズメバ
チたちの高度な社会生活の一端を垣間見ることができますね。